第一話 ペンは剣よりも強し、 されど銃口の切先には能わず

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「あながち偶然とは限らないわね。この子ってあんたの部屋を目指してたんじゃない? ねえミウ」 ミウはそれにウンウンと首を縦に振った。まったくアイラの部屋からは出ないようキツく言っておいたのに。 「で、それに何の関係があるんだよ」 「あんたの部屋って、私の部屋の真下だし」 アリスの人差し指の先が真上を指す。 え、そうなの? 確かに階段を登った方向的にそうだったかもしれない。俺の部屋と階層を間違えたと考えるのは不自然じゃないな。 「じゃあたまに夜、天井から聞こえてくる艶っぽい声はーーー」 「無いわ」とアリス。 「たまに夜、天井からギシギシ聞こえてくるあの音はーーー」 「無いわ」とアリス。 「アリスの部屋の意味ありげなマッサージ器具はっーーー」 「ねぇーつってんでしょうがっ!!!」 いつも通りのボケにいつも通りのアリスの蹴りが舞うとーーー 「えっーーー?」 アリスの驚嘆の声。目を丸くして固まった。 「暴力、ダメ」 それもそのはず、アリスの足首を造作もなく掴み上げるミウ。それ以上アリスが力を込めようものなら、危害を加えることも厭わない、そんな気迫がミウの瞳に浮かんだ。
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