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ここであらぬ妄想が湯けむりのごとく浮かび上がる。
誰もが寝静まった深夜。あの大きな浴場の洗い場に影二つ。堂々と明かりをつけるわけにもいかず、光差すは天窓からの月明かりのみ。
『あら、あなた結構着痩せするタイプなのね』
アリスはミウの耳元でそう囁くと、お互いの裸を密着させるように、艶めく二人のきめ細かな肌が重なる。
響くのは湯気から滴った雫の跳ねる音だけ。
『............』と無表情のミウ。
『この大きさ......なんだか同じ女性として恨めしいわねーーーこうしてやるっ』
アリスが悪戯な笑みを浮かべ、ミウの背後からその滑らかな双丘へと手をかけた。
『............』
それは一見乱暴にも思える手つきであったが、念入りに攻め立てるように丁寧に蹂躙していく。アリスの性格を表すようにねちっこい。
『あなた、ここが弱いのね.......ふふっ』
『...................』
蒸気が熱をまとって二人を包む。アリスの濡れた銀髪が肌にピタリとくっついて、時折月あかりで淫靡に輝いた。
『可愛いわ。ほら、何か言ってみなさい』
『.........................』
さらに這うようにミウの身体をアリスの手が弄る。その度に揺れるミウの綺麗な赤髪も、アリスの嗜虐心を煽った。
『我慢しなくていいのよ? ほら』
『...............................』
『見てみなさい、もうこんなに』
『...................................』
『ねぇ』
『..........................................』
『えーっと.......』
『.................................................』
『.............』
『.......................................................』
あ、ダメだ。
「全然、面白くねえ」
どこまでいっても無表情で鈍感だからまったくはかどらねえ。
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