第一話 ペンは剣よりも強し、 されど銃口の切先には能わず

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ここであらぬ妄想が湯けむりのごとく浮かび上がる。 誰もが寝静まった深夜。あの大きな浴場の洗い場に影二つ。堂々と明かりをつけるわけにもいかず、光差すは天窓からの月明かりのみ。 『あら、あなた結構着痩せするタイプなのね』 アリスはミウの耳元でそう囁くと、お互いの裸を密着させるように、艶めく二人のきめ細かな肌が重なる。 響くのは湯気から滴った雫の跳ねる音だけ。 『............』と無表情のミウ。 『この大きさ......なんだか同じ女性として恨めしいわねーーーこうしてやるっ』 アリスが悪戯な笑みを浮かべ、ミウの背後からその滑らかな双丘へと手をかけた。 『............』 それは一見乱暴にも思える手つきであったが、念入りに攻め立てるように丁寧に蹂躙していく。アリスの性格を表すようにねちっこい。 『あなた、ここが弱いのね.......ふふっ』 『...................』 蒸気が熱をまとって二人を包む。アリスの濡れた銀髪が肌にピタリとくっついて、時折月あかりで淫靡に輝いた。 『可愛いわ。ほら、何か言ってみなさい』 『.........................』 さらに這うようにミウの身体をアリスの手が弄る。その度に揺れるミウの綺麗な赤髪も、アリスの嗜虐心を煽った。 『我慢しなくていいのよ? ほら』 『...............................』 『見てみなさい、もうこんなに』 『...................................』 『ねぇ』 『..........................................』 『えーっと.......』 『.................................................』 『.............』 『.......................................................』 あ、ダメだ。 「全然、面白くねえ」 どこまでいっても無表情で鈍感だからまったくはかどらねえ。
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