31人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねーねー、一ノ瀬さんどう?」
後ろの席から聞こえてきた声が気になった。
一ノ瀬とは、博貴のことだろうから。
「かっこいいに決まってるじゃない。
山瀬さんの補佐とはいえ、一緒に仕事ができるなんて幸せよ。」
「仕事だけじゃなくて彼女の座も狙ってんじゃないの~?」
「あ、バレた?
でも山瀬さんとデキてんじゃないかな~。」
山瀬さん。
美人で仕事も若手の中ではズバ抜けている。
博貴と山瀬さんが2人で進めた企画が大成功し、最近では女性営業の山瀬と企画部エースの一ノ瀬に任せれば間違いないと噂されている。
「あおい~?
ぼーっとしてどうしたの?
箸止まってるよー。」
真麻の声でやっと戻ってきた。
「な、何でもない。
ちょっと午後の仕事のこと考えてただけ。」
「仕事熱心なのは素敵だけど、もうお昼終わっちゃうよ。」
時計を見るとあと10分で休憩が終わってしまう。
「やば。」
急いで箸と口を動かし、急いで仕事に戻った。
最初のコメントを投稿しよう!