第1章

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愛子さんは、ぽんっと私の背中を叩いて、自席へ戻っていった。 私は、職場の人間関係には本当に恵まれていると思う。 同じ課の人たちはもちろんのことだが、他の課の人たちも優しい。 はぁ、私、何やってんだろ。 プライベートでのモヤモヤを仕事に持ち込むなんて。 しかも隣の課の先輩にまでも心配をかけるなんて。 そう反省しても簡単に切り替えるのは難しく、とりあえず飲み物を買いに行って気持ちを落ち着かせることにした。 温かいココアを飲みながら深呼吸をすると、大分落ち着いてきた。 そうだ、今夜聞けば良いんだ。 核心に触れるのは怖いけれど、仕事のことを細かく聞こう。 上手くいっていることは知っているけれど、営業部との兼ね合いとか。 2人で会えていない分、話題も尽きないだろう。 気持ちが軽くなったので、ココアを飲み干してデスクに戻った。 営業部に渡す資料を作っていたら時間が経つのもあっという間だった。 終業間近には、課の皆も戻ってきて、和気あいあいとなった。
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