第1章

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「博貴さんが浮気~? ありえないって。 あおいしか見えてないでしょ、あれは。」 そう言って、私の隣で笑い飛ばすのは親友の愛未。東京の大学に進学して初めて出来た心許せる友人で、もう6年目の付き合いとなる。 博貴は付き合い始めて2年目の私の彼氏。同じ職場の1つ上の先輩でもある。 「最近、おかしいのよ。 ずっと悩んでて、もう耐えられなくて…。」 やっと親友に吐露することができ、安心感から涙が出てきた。ここが個室で助かった。 「どう、おかしいの? いったい何があったのよ。」 愛未は私の横に回ってきて、背中をさすってくれた。その優しさに触れて更に涙が止まらなくなる。愛未は私が落ち着くまで、ずっと横で待ち続けてくれた。 落ち着いた私は、やっとの思いで話し始めた。
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