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「営業の力っていえば、やっぱり山瀬さんの力も大きいの?」
「山瀬はすげーな。
乙女ゲームなんて興味ないのに、一生懸命調べてたしな。
テレビ局とか出版社とかにもすんげー売り込んでくれたし。」
「きょ、今日、山瀬さんの後輩にあたる人が社食で話してたからさ。
や、やっぱ凄いんだねー。
博貴と山瀬さんが組めば間違いないって、みんなも言ってるし。」
どもってしまった。
怪しすぎる、私。
「…あおい、もしかして妬いてんの?」
妬いてるっていうレベルじゃない。
奪われると思っている。
博貴がいなくなると思っている。
途中から顔を見ることができなくなっていた。
何と答えて良いかも分からなくなり、無言が辛くなってきた。ちらっと博貴の顔を見ると、まさかの満面の笑み。
私は固まってしまった。
博貴の顔が想像していたものと違ったから。
私が妬いたことが嬉しくて仕方ないっていう顔だ。
それって、私のことが好きってことでしょ?
愛情を感じるのはなぜ?
ぐるぐるぐるぐる悩んでいたら、博貴にぎゅーっとされていた。
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