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***** * * * *
「いや、待って。
それ、だだのノロケじゃない。」
愛未様のするどいツッコミ。
「いや、うん、だらね、今思えばなんだって。
私も当時は何も思わなかったの。
でもよく考えたら、それまでの博貴なら手を繋げないことを先に言ってくれてたと思う。」
「なるほどね~。
そう言われると、おかしいのかもしれないって少しだけ思っちゃうかも。」
「うん、信じたくないんだけどね。
それに疑ってる自分にも嫌気が差す。」
ちょっと暗くなってしまった私を、愛未がぎゅーっと抱きしめてくれた。
「そんなことない。
あおいは何も悪くないから。」
愛未の愛を感じる。
「愛未がいてくれて良かった。
ありがとう。
愛未だけが頼りだよ。」
「私も辛いときは、あおいに愚痴ってるし。
いっぱい支えてもらってるよ。」
一呼吸置いて、
「思い出すの辛くない?
今日は止めて、他の日でも大丈夫だからね。」
その気遣いが胸を刺す。
しかし私は首をふるふると振った。
「聞いてもらった方が絶対に楽になるから。
聞くの面倒かもだけど、聞いてもらえる?」
「もちろんだよ。」
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