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「…い、嫌!!」
ドン!
大河の体を押してそのまま逃げるようにその場を走り去る。
…な、なんで…急に…
…大河…どうしちゃったのよ!!
走る、思いっきり。
でも浴衣の裾が足にひっかかり、
思いっきり転んでしまう。
…痛…
膝から血が流れる。
転んだため浴衣も砂だらけ、髪型もぐちゃぐちゃ。
これで大河との関係ももう元には戻れない。
目に涙が貯まる。
私は今日大切なもの2つ失う。
好きな人と幼馴染み。
…大河…
「…大丈夫か?乗れよ」
声が聞こえる。大河の優しい声。
顔をあげるとやっぱり大河。
大河が後ろを向いてしゃがんでいる。
「…やだ」
「はぁ!?そのケガじゃ歩けねぇだろ!」
「だって重いもん」
「いいよ、別に。今更気にしねぇよ」
顔が見えないからかさっきの事があったけど普通に話せてる。
ゆっくり起き上がり、大河の背中に体重を乗せる。
「…重っ」
「ちょっと!うざい!」
そんな事いいながら帰り道を歩く。
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