第1章 戸惑うミツバチ

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「久しぶりだね。どこかでゆっくり話そう」 「でも……」 耳元に囁くと同時 当然のように首筋に回される長い腕。 「いいんですか?彼女たちは……」 もちろん。 突然現れた邪魔者に 女の子たちは不服そうに眉根を寄せている。 「――構わないさ。はじめから興味ないし」 聞こえていないと思って。 「それにこのままいたって、どうせ今夜限りのゆきずりだ」 ワインクーラーの瓶を煽りつつ 僕の耳に吹き込む――悪趣味な含み笑い。
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