星ノ名

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……あの日以来、私達の星は 他の星との戦争を始めた 不思議な話で 丁度、おばあさんに戦争の事を聞いた日なんだ 丁度、あの言葉を聞いた日なんだ この世の全ては名付けられて 初めて存在する事が出来る 名前を与えられなければ 存在する事が出来ない この夜空の星達には 1つ1つ名前がついていて それを結んで私が名付けると 新たな形としてそこに存在するようになる おばあさんの言っている事は 悲しくも、納得出来る事だった それが正しければ、私は存在していない事になる だから、あの時泣いたんだ 私が消えてしまいそうだったから…… いや、元からいないのに 消える事なんて出来ないじゃない 今、この星は『シリウス』と名付けられ 他の星に名前を付けようとしている つまり、支配しようとしているんだ でも、その事を戦ってる当人達は気づいていない まるでお祭りのように楽しんでさえいるんだ 元から名前があるはずなのに 奪い取って、新たに名付けていく それは恐ろしい事のはずなんだ
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