星ノ名

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「なぜ、なぜあの子を!?」 廊下に響くお姉様の声 少し前にあった会議で何を話したのだろう 気まぐれな大臣達と お姉様は言い争っていた その中には、ライもいた 物陰から見ていると ライが私の方に近寄ってきた 「2番目、お前に大切な仕事がある この星を守る重要な仕事なんだ」 「……仕事?」 私に仕事を頼むの? 「実は先ほどの会議で リア様が戦場に出る事が決まった」 えっ、なぜお姉様が!? 私が驚きを隠せないでいると ライはその表情を読み取ったのか 続けて話を進めた 「リア様は、この戦争に少なからず 責任を感じていらっしゃった 大臣達の意見を良い方向にまとめられたら 戦争が酷くならなかったかもしれないと……」 そ、そんな……お姉様の責任じゃ…… それを感じて、自ら戦場に行くの……? 「……どう、リア様が心配だろう?」 そりゃ、心配だよ 私の大切なお姉様なんだから 「……そこで2番目……お前が」 私が…… 「お前が、リア様を助けるんだ」 私が……助け……る…… 「……いいか、これから敵軍は 全勢力をぶつけてくる 弱ってきてるとはいえ、全勢力はあなどれない そこで、2番目、お前の力を使うんだ」 私の……力? 「でも、私……戦いなんて……」 「昔、地下の書物倉庫で 王家に関する文書を読んだ事がある そこには “王家の血を継ぎし者、世界を平和に導く力を持つ” と、書かれていた……」 「世界を……平和に……」 「具体的には、詳しく言えないが お前の力を使って世界を救える事は確かなんだ」 「私が……世界を救える……」 「そうさ、まさに救世主 お前の名はこの星中に知れわたるだろう!」 「名……名前、無い……」 「名前……無い? そんなの気にするな! 世界を救ったら、自然と手に入るさ!」 えっ……名前が……! 私にとって名前を貰うのは ずっとずっと夢見てきた事 それにお姉様を、そして世界を救えるなら 私の力で救えるなら……
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