星ノ名

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「……お話は済みましたか?」 側でずっと聞いていたライが声をかけてきた お姉様は下を向いて黙ったままだった 「リア様、妹を想う気持ちは 私も痛いほどわかります ですが、それと同様に姉を想う気持ちも ここには、確かに“存在”しているのですよ」 ライは存在という言葉を 強調してお姉様に伝えた 「……さぁ、行きましょうか リア様、この子の事は 私が責任を持って守りますから 安心して、お休みなさって下さい」 私とライはお姉様に頭を下げ 奥の部屋へと向かっていった 奥の部屋は薄暗く どのくらいの広さかさえ、わからなかった 「さぁ、こちらへ」 私は言われるがまま ライが示した方向へ向かった 何だろう、これ…… 暗くてよく見えないけど…… 「さぁ、これに座って……」 どうやら、椅子のようだ 私は躊躇なく、手に触れたものに座った ……特に、何も起きない 座ったまま、辺りを見渡す 本当に暗い部屋だ 自分が目を開けているのか それとも閉じているのか、わからなくなる それに少し眠くなってきた 夜みたいな場所だからかな? でも、星は見えないけど……
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