星ノ名

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「リア様、いよいよ決戦前夜ですね」 ……ライ、私はあなたを許さない この戦争のどこかで、あなたを消す 心の中で、そう誓い 明日への準備を進める 明日は、いよいよ敵との決戦 敵の全勢力がこの星へ向かっていると 情報が流れたため、急ピッチで軍事会議が進められた その会議の最中、「奥の手を出そう」と 提案した者がいた、それも何人も…… 奥の手……基本的には、王家とその関係者しか 知る事が出来ない、戦争を終わらせる方法 だが、それには犠牲が伴う 戦争を続けてきて、今さら犠牲がどうだとか 言う筋合いは無いのかもしれない でも、私には反対しなければならない理由があった 守らなくてはいけない者がいるからだ それなのに、食い止められなかった 星の王女の力も、たかが知れてるのね 自分が情けなくなる…… せめてもの、抗いとして ライをこの世から消す事だけは 何としてでも成功させなければならない 向こうは言葉で人を操る、頭の切れる奴だが 味方からの攻撃は、さすがに気づく事は無いだろう だが、慎重にだ いかに信用させ、騙せるかが 成功への鍵なんだ…… 時は、まだ早い…… 私以外、真実を知らないまま この戦争を戦っている事が悲しい 皆、誤った通説を信じて その信念を貫いて散っていく 儚く……無意味だ…… どうすれば良いのか 私にも、わからないまま 独りで真を唄ってきた 逆の事が、この世界の本当の事だった これこそが戦争を終わらせる鍵なんだ 決して、あの子は奥の手なんかじゃない……
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