星ノ名

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「……んん、ここは?」 目が覚めると建物の中にいた どうやら、助かったらしい あたりを見回すと、暗い部屋であったが 窓から入る星の光が綺麗だった 光をたどると、床にオモチャやノート 本などがたくさん散らかっていた ノートを開いてみると 不思議な模様がたくさん描かれていた 恐らく、この星の文字なのだろう 読めるわけもないのだが ひとつ言えるのは、悲しさか、寂しさを そのノートにぶつけたかのような文字で 何ページにも渡って書かれていた事だ 何なんだろう、このノートは…… しばらく見て考えていると 部屋の扉が開き、誰かが入ってきた 「あっ、目覚めましたね」 暗くてよく見えないが 声を聞いて誰だかわかった 「ほ、星の王女……?」 「あっ、心配しないで 私はあなたを殺したりはしない ライのようにはね……」 「えっ……?」 「おっと、あなたには状況から説明しないと」 先ほど見た目付きとは一転 敵意を全く感じさせない目を視界にとらえた 暗くて王女の正確な位置はわからないが 王女の目が見えたという事は、かなり近い だが、命の危機は不思議と感じなかった 王女は話を続ける 「さっきの爆風は私のせいなの あなたを巻き込んでしまってごめんなさい でも、これで戦争は終わったも当然 後1つ片付ければ平和になります」 ……な、何を言っているんだこの人? 「おい、王女さんよ ライはどうなったんだ? 何で戦争が終わったんだ?」 「えっと、まずはライね アイツは跡形も無く消え去ったわよ」 「それって……」 「ええ、私が殺したの」 平然と答える彼女に怒りを覚える 「おい、そう簡単に殺していいのかよ!?」 「そのセリフ、そっくり返す 『そう簡単に殺害計画たてていいのか!?』ってね」 うっ……正論だ…… 「どちらかが殺らなきゃ、どちらかが死んでいた どちらが生き残れば世界は幸せなのか考えたら 答えは自然と、私となったのよ」 その後も王女は話を続けた
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