星ノ名

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話を聞いていてわかったのだが ライはどうやら、僕を騙していたらしい 巧みな話術を用いてこの戦争を始めた 張本人であったと、王女ーリアは話した そして、今回の作戦 リアは自分を殺そうとしている事は かなり前から察知していたらしい リアは、それを逆手にとり ライを殺そうと考えていたそうだ そして、あえて僕の前に誘き出されて ライが近づいた瞬間を狙って爆弾を作動させた 「……と、まぁ、ここに来るまでの経緯は ざっとこんなものだけど、質問はあるかしら?」 「……ひとつだけ、なぜ、僕を助けた? 騙されていたとはいえ、お前を殺そうとしたんだぞ 憎しみとか、そういう感情は無いのか?」 「おかしい人ね、それじゃあ、私に 『殺してくれ』って言ってるみたいじゃない」 「いや……そういうわけじゃ……」 「冗談よ…… 私は、ライ以外の人を殺そうとなんて 全く思わなかったのよ、最初から ……だって、ライが消えれば、それだけで 世界が平和になる事を知っていたんだもの」 「でも、何でライがその……何て言うのか…… 一番の悪者だ……って気づいたんだよ?」 「……実は」 リアはずっとこちらを向けていた視線を その時だけ下に向けて、話を進めた 「昔、私の妹から 名前を奪った奴だから……よ……」 「な……名前……?」 「そう、奴によって妹は名前を貰えなかった」 どういう事…… 名前を貰えなかったってどういう事だよ?
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