星ノ名

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「ライは、妹が生まれた時 跡取りに関しての会議に出席していたの 当時は、あまり力も無かったせいか 私以外の誰も覚えてなかったけどね」 「逆に、なぜリアは覚えていたんだ?」 「……そうね、小さかった私には かなり衝撃的だったからかしらね どうやって、妹に名前を付けないように 話を進めていったのかまでは覚えてない でも、確かにライの発言のよって そうなったのよ、少なくとも私の記憶では」 だんだん目が慣れてきて リアの表情を読み取りやすくなってきた リアは、どうやら涙を浮かべながら 僕に話をしていたようだ リアは話を続ける 「それで、私の妹は “二番目”と呼ばれるようになってしまったの だから、私は最初からライを憎んでいたし 今回の戦争も、絶対に関係があると考えていたの そうしたら、本当にライは……」 目から涙がこぼれ落ちた 星の王女として、僕の想像を遥かに越えた たくさんの想いが彼女の心にあったのだろう リアは、こらえきれなくなったのか 僕の腕にしがみつきながら、大声で泣き出した 戦争で悲しむのは、自分達だけじゃない そんな事、最初からわかっていたけど 改めて見ると、これだけ心が痛む事は他には無い しばらく、泣いているリアを抱き寄せ 優しく頭を撫でてあげた リアが泣いている間にも 僕の頭の中には、まだ疑問が残っていた ライが死んだのなら 世界は、これから平和になっていくだろう それなのに、まだ終わった感じがしない 何か、やり残してる事がある……
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