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「ねぇ、おばあさん」
「なんだい?」
「どうして、その戦争……ってのは起こったの?」
これは、私が幼い頃
おばあさんに聞いたお話
私は、そのお話にとても興味を持っていた
人が人の存在を消す事
それが行われてたなんて、信じられなかった
でも、私の心にあったのは恐怖ではなく
どちらかというと好奇心のようなものだった
今、思うと私は“存在”って言葉に
ひどく囚われていた気がする
だって不思議じゃない
何のために“存在”があるのか?
消えてしまう運命なのに
次から次へと“存在”が生まれる
ずっと……ずっと不思議だった
でも、不思議だったからなのか
私も存在している事が何となく心地よかった
……少なくとも、私が存在していたあの時までは
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