星ノ名

2/37

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
「ねぇ、おばあさん」 「なんだい?」 「どうして、その戦争……ってのは起こったの?」 これは、私が幼い頃 おばあさんに聞いたお話 私は、そのお話にとても興味を持っていた 人が人の存在を消す事 それが行われてたなんて、信じられなかった でも、私の心にあったのは恐怖ではなく どちらかというと好奇心のようなものだった 今、思うと私は“存在”って言葉に ひどく囚われていた気がする だって不思議じゃない 何のために“存在”があるのか? 消えてしまう運命なのに 次から次へと“存在”が生まれる ずっと……ずっと不思議だった でも、不思議だったからなのか 私も存在している事が何となく心地よかった ……少なくとも、私が存在していたあの時までは
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加