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「戦争の原因はね、単純だったのよ
誰が、その星の名前を決めるか?」
「名前……?
何でそんな事で戦争になるの?」
知らぬが仏ってこの事だ
私がしたこの質問が、私を苦しめる事になるなんて
全然、思っていなかったもの……
「名前をつけたら、その星を
支配した事と同じになるからよ」
「えっ、そうなの?」
「ええ、不思議に思うかもしれないけどね
実際に名前を持った人々が支配していったの」
「じゃ、じゃあ……
名前を持てなかった人達は……?」
やめて……
うっすらとおばあさんが何を言うか
この時の私もわかってたはずなんだ
それなのに、好奇心に負けたのか
聞いてしまったんだ……
その日の夕方から
私は泣き続けた
この世界が180度変わってしまった
おばあさんのあの言葉が
ガラスの破片のように心に突き刺さった
痛む……
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