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「お姉様、お待たせしました」
「大丈夫?
また、ボンヤリ星でも眺めてたのでしょうけど」
「えへへ……」
誠実であって、それでいて優しくもあり
私が心を寄せられる数少ない人のひとり
そんなお姉様の後ろについて
どこへ向かうかわからないまま歩いた
「いい? 気まぐれな大臣達の言葉には
絶対に耳を貸さない事、それと……」
お姉様は大きな扉の前で立ち止まり
私に向かっていくつか忠告した
「……わかった?」
「はい……あのっ!」
「しっ……もう、大臣達はそこにいるから
私とは何も話さないで、いい?」
「は……はい……」
お姉様と私は
人前では仲良くしてはいけないらしい
その事に苦しんでいたのは
私よりもお姉様の方だったけれど
この星の王女であるから
仕方ない事だと、いつも言い聞かせていた
「じゃあ、入るわよ」
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