第1章 砂漠の街

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「やはり水を探しに出ないと、か」 少年の言葉に、直ぐ隣を歩いている護衛がすかさず、なりません、と目を鋭くする。 「殿下はこの国には無くてはならない存在なのですから、無茶な行動はお控え頂かないと」 少年はこの街で、日々、勉学に励み身体を鍛え剣の技を磨き、この国を統治する王の後継者として生きている。 「無くてはならない、か。国の者が居なくなってしまっては、それこそ私が存在する意味は無いだろう。指を銜えて雨を待つのは終わりだ。このままでは国が滅ぶぞ」 少年、いや、王子の言葉に護衛は黙り込む。 王が何組かのパーティに水を探させているのだが、どの組も戻って来ておらず、進展は無いのだ。 「しかし、その様な危険な事を王がお許しになる筈がございません。新たに何組かを派遣するおつもりの様ですし、殿下は自重なさって下さいね」 睨まれながら言われ、王子は肩を竦める。 彼が幼い頃から側で護衛をするこの者は、ガンストと言う厳つい長身の男。 お陰で彼と話をする時に王子は、首が痛くなるほど見上げねばならず、疲れた顔をする。 (って言うか、ムカつく!その身長を少し寄越せ!) そんな事を思う王子。 「まあまあ、殿下。その様にガンストを睨まないで下さい。殿下が心配で仕方無いのですから」
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