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「あの女、もうオッサンを殺ったのか!?」
狂女を目の当たりにして、必死の形相で「その古家」を飛び出した。
始まりは、ある心霊スポットに足を踏み入れてしまったことからだ。
古家ではあるが、幽霊屋敷だとかお化け屋敷だとか・・・そういう類とは少し違う。
そこに住む者がみんな行方不明になる。忽然と人が消えてしまうらしい。
そう言えば、こないだの心霊番組で取り上げられた際には「蒸発の廃墟」と
呼ばれていた。
ただ、その古家での怪奇現象に対しては、どういう訳か警察活動が機能せず、専門家ですら「お手上げ状態」であるらしい。
確かに、私は蒸発の廃墟に興味があった。しかし、霊感は全くなく、そもそも心霊現象などという非科学的な事象は信じていない人間だ。
機会があって、私は「蒸発の廃墟」を訪れる。最初は興味本位だったのだが・・・。
このあたりで簡単に私の自己紹介をしておこうか。
名前は赤崎翔琉(あかさきかける)で年齢は20代。普通の会社員として勤務している。ちなみに所属は製造部だが出張が多い。趣味は車でのドライブ。それから読書が好きで今読んでいるのは推理小説だ。正直、特別変わった個性はないと思う。先にも言ったが霊感など全くない。心霊現象も信じない。
ただ、これ以降の話は、全て私が経験した内容を元にしたものである。
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