78人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなこんなで後2ヶ月で付き合い初めて4年になろうとしていた現在。
俺はとても幸せだった。
彼女とならこのまま必ず幸せになれると思っていたし。
その自信だってあった。
仕事で無理をしすぎて体調を崩した事と病気で飲食店は辞めることにはなってしまったが。
それまでに少しは蓄えもできていたし。
実は東京に来る数日前に新しい仕事を見つける事もできていた。
ただちょっと心配なことがあったのと、急な引っ越しの手伝いで彼女に新しい仕事の事を言えなかったのが。
帰ったら確認すればいい。
その時に報告すればいい。
そして確認してその通りだったら。
いや、例えそうでなかったとしても。
ずっと考えてた。
ずっと願ってた。
二人で約束してた。
あの事をもう一度ちゃんと伝えようとある物を握りしめて。
『明日、帰るよ
話したいことがあるから
会いたい』
そんなメールを君に送った。
直ぐに鳴り響くメールの着信音と光る君からの返信の合図。
『私も会いたい
気をつけて帰ってきてね?
私も話したいことがあるし
明日ね』
そんな君からの優しいメール。
だから約束の日。
帰りついてすぐメールを君に送って。
少ししてから届いた君からのメールが。
『ごめん。
やっぱり会えない
悪いけど
私、もう別れたい
もう好きじゃない』
俺のこの世界の全てを壊す引き金になるなんて。
思いもしなかった。
訳も分からず君にどういうこととメールした。
返事は帰ってこなかった。
電話をするけど。
君は出てくれなかった。
二人で暮らしてた部屋に帰ったら。
君の荷物はなくなっていた。
君の実家に車を走らせた。
君は会ってくれなかった。
俺に残ったのは
君と撮ったプリクラと
君との思い出と
君への贈り物だった
君との約束を果たすはずの
2つの指輪だけ。
最初のコメントを投稿しよう!