【1】 邂逅

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野原幸子は帰宅する足を止める。 その先に、縄で繋がれた犬がハッハッと舌を出して仁王立ちになっていたからだ。 犬は嫌いだ。 何でも知っているような目でこちらを見て甘える声を出して尻尾を振れば全て許されると思っている。 「あんたなんか嫌い」 幸子はぷい、と踵を返し、先を急いだ。
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