第四話 思いは何処へ向かう

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 数分後、舞花が佐々木を呼んだ。か細い声で兄さんと言う。佐々木は部屋に再び入った。舞花をベッドに入れて布団を掛ける。 「おやすみ。明日は無理しなくていい、俺が学校まで送ってく」 「ごめんね、迷惑かけちゃって……勝手に、病院行ったり」 「もういいから。元気になったらたっぷり叱ってやる」  えへへと微笑み舞花は口まで布団に潜る。 「ねぇ兄さん。元気になったらでいいから、その……キス、して欲しいなぁなんて」 「なんだ、今はえらく甘えるんだなぁ」 「ね、熱のせいだよ! きっと。熱が私を甘えさせてるのぉ」 「はいはい」  舞花はもっと深く潜り込む。小さな顔が半分以上隠れてしまった。そんな舞花の頭を撫でながら佐々木は微笑する。 「いいよ、約束する。舞花が覚えてたらしてやるよ」 「本当?」 「ほ・ん・と・う」 「やったぁ」  ニコニコと素直な笑みを浮かべる舞花。佐々木は頭からおでこに手を動かす。 「さぁもう寝るんだ。おやすみ」 「おやすみなさい……兄さん」  舞花が目を瞑るとすぐに気持ちのよい寝息が聞こえてくる。 「綺麗になったな、舞花」
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