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「どうかしたの?」
奈々香がスマートホンを見ていると、同僚の美樹が心配そうな顔で聞いてくる。
「あ、ああ、うん」
奈々香はスマートホンの画面から視線を上げて、美樹に向かって頷いた。
「ならいいけど」
「う~~~ん。それがね」
「うん」
「今、友達からのLineなんだけどね……」
奈々香はもう一度視線をスマートホンに移した。
「何?」
「ここ数日、誰かにずっと見られてる気がしてるんだって」
「えっ、何それ? ストーカーとか?」
「う~~~ん。どうなんだろう……。一月前に引っ越したんだけど、それかららしいの」
「へぇ~。もしかして引っ越した部屋に憑いてる地縛霊とかかもよ」
「えっ!」
奈々香は目を開いて声を上げた。
「意外とさぁ、押し入れの中にお札が貼ってあったりするかもね」
「ちょ、止めてよ」
奈々香は怖くなって美樹を睨んだ。
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