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「あ~~~そんなこと言われたら、行くの怖くなっちゃったじゃん」
奈々香が恨めしそうに美樹を見る。
「えっ、行くの?」
「うん。不安だから来てほしいって」
「へぇ~そうなんだ。頑張ってね」
「うわ~イヤな感じ」
「だって、じゃあどうすればいいのよ?」
「ついて来て」
「は? 何言ってるのよ。知らない人の家に行くのなんてイヤだよ」
「でも、ほら、友だちの友だちは、皆友だちって言うじゃない」
「言わないよ」
「言うよ」
「だいたい、その子だって、知らない人に来てほしくないに決まってるじゃない」
「そうかな?」
「そうだよ」
「じゃあ聞いてみる」
奈々香はスマートホンを操作し始める。
「ちょっと!」
「まぁまぁ」
すぐに返信がついた。
「あっ、OKだって」
「もう、なんで勝手に決めるのよ」
美樹がすぐに文句を言う。
「まぁまぁ、今度ランチおごるからさぁ」
奈々香は片手を顔の前にたてて、申し訳なさそうな顔をした。
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