誰かに見られてる

3/12
36人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「あ~~~そんなこと言われたら、行くの怖くなっちゃったじゃん」 奈々香が恨めしそうに美樹を見る。 「えっ、行くの?」 「うん。不安だから来てほしいって」 「へぇ~そうなんだ。頑張ってね」 「うわ~イヤな感じ」 「だって、じゃあどうすればいいのよ?」 「ついて来て」 「は? 何言ってるのよ。知らない人の家に行くのなんてイヤだよ」 「でも、ほら、友だちの友だちは、皆友だちって言うじゃない」 「言わないよ」 「言うよ」 「だいたい、その子だって、知らない人に来てほしくないに決まってるじゃない」 「そうかな?」 「そうだよ」 「じゃあ聞いてみる」 奈々香はスマートホンを操作し始める。 「ちょっと!」 「まぁまぁ」 すぐに返信がついた。 「あっ、OKだって」 「もう、なんで勝手に決めるのよ」 美樹がすぐに文句を言う。 「まぁまぁ、今度ランチおごるからさぁ」 奈々香は片手を顔の前にたてて、申し訳なさそうな顔をした。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!