真実

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"ダグ・フェルゼン"。 ふむ……。 確かに良く聞く名前だ。 それ故に、ダグ・フェルゼンに関する情報はある程度把握していた。 確か……。 人種は人間。 性別は男性。 特徴は髭を生やした老人。 職種は考古学者。 だったよな。 これらは全部、ルペス村でリースから教えてもらった情報だ。 ダグ・フェルゼンはリースの叔父との事だったしな。 ノエルが尊敬し、著書の『翼の神』を執筆した人物でもある。 そして、ミリアの友人だと? 更に言えば、ニルバニアの王女様レイナに、会うように促されていた。 なんか、こうして思い返してみると、なかなかに縁がある。 「"ダグ・フェルゼン"か 何度か聞いた事のある名前だ」 「まぁ、一応有名ではあるからな 人格は少しアレだが……」 「そうなのか? 俺の仲間には尊敬している奴も居るが」 「ならば本人に会うと、さぞかし幻滅する事だろう」 どうやら、余程の"変人"らしいな。 色々話している時。 ミリアはある提案を持ち出してきた。 「ふむ…… 確かダグの奴、"闇"についても調べていたな…… カズ、ダグ・フェルゼンに会ってみる気はないか?」 お、これは思わぬ展開だ。 気があるもなにも、俺は元々ダグ・フェルゼンに会う為に、ここまで来たんだからな。 ミリアの提案は、甘んじて受けよう。 だが、一つ問題が……。 「そうしたいのは山々だが…… 俺は今動けないんだよ」 言って俺は、自らの骨折している右足を指差した。 するとミリアは、大して気にしない様子を見せる。 「なに、心配は無用だ 白凰鳥の回復力は偉大だぞ? 一晩寝れば、骨ぐらいは接合できよう」 「そうなのか? それなら、会いに行けるな」 「うむ では明日、リハビリを兼ねてウルバキアに向かうとするか」 「おう、頼む」 そして俺は、ダグ・フェルゼンと会う事になった。
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