真実

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ダグ博士は、リコに興味を持っていた。 まぁ、リコの存在そのものがこの世界では珍しいからな。 むしろ、今まで会ってきた連中が興味を持たなかっったのが不思議なくらいか。 ダグ博士は、やはり着眼点が他人と違うな。 これが、変人――じゃなかった有名人たる所以か。 「リコくん……と言ったかのぅ? 君はどこに生息しているんじゃ?」 「いえ…… 私はその……」 ダグ博士の質問にたじろぐリコ。 答えのない質問だからな。 無理もないか。 「リコは特別でな 特定の場所に生息している訳じゃないんだ」 俺が代わりにに答えると。 「ふむ…… ますます興味深いの なにか特技とかはあるのかの?」 リコの特技だと? まぁ、色んな事ができるが……。 強いて言えば。 「分析とか解析とか……ですかね?」 「何! 分析とな! どんなものか見せてくれんか?」 うーん……。 そんな事言われてもなぁ……。 困った俺は、取りあえずお茶を飲もうかと思った。 が、思いとどまる。 このお茶大丈夫か? 変な薬物とか混入されてないだろうな? そうか! 丁度良い、分析対象があるじゃねぇか。 俺はダグ博士の頼みを利用して、リコに"毒味"をさせる。 「そうですね じゃあ…… リコ、このお茶の成分を分析しろ」 「了解です! マスター!」 言った後、いつもの様にリコは光を照射して、茶を"見た"。 そして、その結果を俺に伝える。 「成分分析完了しました! 分析結果を照会します! 炭水化物………・40% うち植物繊維…・30%    ショ糖…・7% ブドウ糖+果糖…3% タンパク質……・20% カテキン………・11% ミネラル………・15% カフェイン……・5% ビタミン………・9% 有害物質は検出されませんでした! マスター! ご安心して、大丈夫ですよ!」 「ご苦労」 よし、これで安心して飲めるな。
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