真実

43/74
前へ
/805ページ
次へ
「良かったら、その話を詳しく聞かせてくれませんか?」 俺は石板について、ダグ博士に尋ねてみた。 「良かろう 先ず確認じゃが ラロ遺跡は知っておるな?」 知ってるよ。 太古の遺産を修復させようとしたら、神様に滅ぼされた悲劇の村だってな。 「まぁ、一応」 「そのラロ遺跡には、幾何学的な洞穴があってのぅ そこから、様々な物が発掘されたんじゃ 石板もその洞穴から見付かった物の1つなんじゃよ」 「洞穴?」 「うむ じゃが、その洞穴からは大変危険な毒素が充満しておってな とても人間の行ける場所じゃないんじゃ」 ん? 「じゃあどうやって、洞穴の中から石板を見付けて来たんだ?」 入れない洞穴から石板を見付けてくるなんて、矛盾しているからな。 俺の疑問に、ダグ博士はミリアを見て答えた。 「ミリアくんに協力してもらったのじゃ ミリアくんはその体質上、毒が効かないからのぅ」 なるほどな。 ダグ博士がミリアの事を、"研究材料"などと呼んでいた理由はそういう事だったのか。 つまり、"協力者"という意味だった訳か。 ダグ博士の発言に、ミリアは呆れた様子を見せていた。 「ダグが私に近付いてきた理由が分かったであろう? 私はダグの研究を手伝わされておるのだ まぁ、その見返りに私もダグから、魔人にとって入手困難な日用品などを貰っておるがな」 「へぇ なかなか協力し合ってるんだな」 「まぁ、明らかに 私の負担の方が大きいがな」 あ、心中察します。 ご愁傷様。 さてと。 「その石板を見せてもらっても良いか? リコの分析力なら、その文字とやらが解読できるかも知れない」 俺は、その石板の提示を要求した。 実物がやっぱり気になるからな。
/805ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5125人が本棚に入れています
本棚に追加