真実

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なるほどな。 "俺が知りたがっている事"っていうのは、これの事だったのか。 レイナが、俺をダグ博士に会わせた理由が理解できた。 しかし、謎もある。 それは、何故レイナがこの真実を知っているのか、という事だ。 ニルバニアに帰還したら、小一時間問い詰める必要があるな。 まぁ、それは帰ってから聞くとして……。 俺が読み上げた石板の内容に、ダグ博士とミリアは言葉を詰まらせていた。 「そんな事が記されておったのか……」 「むぅ…… 太古の方にご冥福を祈ろう」 内容が内容だけに、少し空気を悪くしてしまったな。 話を進めるか。 俺は、ポーチからある物を取り出した。 それを見たダグ博士は。 「カズくん、それは……」 意外そうな顔をしていた。 「あぁ 拝見させてもらいましたよ この本の内容にはビックリしましたけどね」 俺が取り出したのは、絵本だ。 ダグ博士が、太古の出来事をモチーフにして執筆したという『翼の神』。 「まさか……」 カズくんは」 色々と察した様子を見せる、ダグ博士とミリア。 そんな2人に、俺は真実を伝えた。 「俺だって混乱してるんですよ でも、はっきりしました 俺はこのアストランという世界の太古から来たんです つまり、この絵本の舞台になった時代から来たんです」 この真実に、ダグ博士は。 「まさか……そんな事が! しかし…… カズくんの恰好や、所持品、の奇天烈さ 太古の文字を解読し、そしてなによりも"闇"属性の魔力…… にわかには信じられないが、信憑性は高い様じゃ」 様々な理由を付けて一応ではあるが、信じてもらったみたいだ。 ミリアも同様だな。 だったら後は……。 「じゃあ、ラロ遺跡とやらに案内してくれないか? 過去にラロの民が修復させようとした物体に興味がある」 俺は事実確認を急いでいた。
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