真実

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俺の発言を真に受けたのか、ダグ博士とミリアは話を進めてくれた。 「わ、分かった だが、儂は歳でな ラロ遺跡に向かう程の体力はないのじゃ」 なんだと? 使えねぇな。 と、思った時。 「ラロ遺跡にはミリアくんに案内してもらってくれ 良いかの? ミリアくん?」 「まぁ、仕方ないな」 ミリアの了承で、ラロ遺跡にはミリアが同行してくれる事になった。 だが……。 「ちょっと待て ダグ博士がいないと、太古の遺産とやらについて詳しく聞けないだろ 専門知識のない俺達だけじゃ何も分からないぞ?」 俺の懸念にダグ博士は、もっともらしい理由を連ねた。 「それもそうじゃが…… 儂も太古の遺産について分かってる事は少ない 儂が行った所で知れる事は、僅かじゃ カズくんにはリコくんが居るじゃろ? 君達だけで、調査は十分にこなせる筈じゃ」 その説明を受け、妙に納得する俺。 リコの万能さは確かに、何よりも役に立つからな。 「それもそうだな じゃあ、ミリア頼む」 「あぁ、任せておけ」 そして、ようやく行動に移そうとした時。 「済まんが、もう少し時間をくれんかの? カズくんには、是非とも見てもらいたい物があるんじゃ」 何? まだ、何かあるのか? なら、さっさとしてくれ。 「見てもらいたい物? 一体なんだ?」 「ラロ遺跡から発掘された太古の遺産の一つじゃ この石板と一緒に見付かった物でな」 ほう。 っていう事は、地球にあった代物か。 確かに、見る価値はありそうだ。 「見せてくれ」 「勿論じゃ 数が結構あっての 保管室まで来てくれんか?」 「分かった」 ダグ博士に言われ、俺とミリアは家の奥へと進んだ。 しばらく進み、扉を隔てた部屋へと入った時。 そこには、古く錆び付いた様々な形をした物体が、所狭しと並べられていた。 ダグ博士は、その物体を誇らしげに紹介する。 「この遺産たちを、ガラクタ呼ばわりする人は少なくない ミリアくんも、その1人じゃからな だが、カズくん 君には、分かる筈じゃ この物体が、一体何なのかをな」 何……って言われても。 俺にもガラクタにしか見えない――。 と、思ったは一瞬だった。 前言撤回しよう。 確かに、この物体はガラクタなんかじゃない。 良く見たら、形に見に覚えがある物ばかりだ。 これは……。 自衛隊の装備品だ。
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