真実

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劣化こそ激しく、著しく腐食しているが……。 原形は、分かる程度には留めてある。 長い物は、小銃か?。 あの小さい物は、拳銃だ。 流石に小さ過ぎるのは分からないが、他にもマスクや通信機器の様な物が幾つか確認できる。 間違いない。 全て俺に縁のある、自衛隊の支給品ばかりだ。 「これは……」 俺がその光景に、唖然としていると。 「マスター…… ここにある物体ですが、全て1000年以上も前の物です」 リコが自発的に分析をして、その結果を俺に伝えてきた。 っていうか。 「1000年だと!?」 「はい、物体の劣化具合から逆算して、導き出しました 推定ではありますが、かなり昔の物の様です」 「そうか……」 太古とは言われていたが。 まさか、俺の居た時代は1000年以上も昔だったのかよ。 それ何時代?。 ここにある物体が、俺の居た時代の物と分かったダグ博士は説明を始めていた。 「やはり、カズくんには分かる様じゃな ここの物は全て、ミリアくんに見付けて来てもらったのじゃ」 「私はダグに言われた通りに、洞穴からガラクタを集めてきただけだ その物体の価値は分からんな」 ミリアはそう言って、自分のした事を付け足す。 そうだったのか。 ミリアが見付けてきたのか。 他にはどんな物を見付けてきたんだ? 「ちょっと拝見させてもらっていいか?」 「勿論じゃ! 気になる物があれば言ってくれ」 お、ダグ博士がテンション上がってる。 「じゃあ、遠慮なく」 ダグ博士の了承を得て、俺はここにある物体を物色し始めた。 どれどれ……。 すると。 一つ気になる物が目についた。 それは、ただの石ころの様に見えた。 丸い形で、左右対照。 平べったく、水切りに適した形。 それは……。 「マスター まさかそれ……」 ほう……。 リコも気が付いたか。 流石、"同類"だけあるな。 俺が気になった物体。 それは……。 「あぁ これは、多目的汎用多才携帯端末機 略称"タモサン"だ」
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