真実

65/74
前へ
/805ページ
次へ
ラロの民が修復させようとした物が、この先にあるっていうのか? それは是非とも見てみないとな。 俺がこのラロ遺跡に来た目的も、それが何か知る為だったし。 よし。 「"ソレ"はどこにあるんだ? 案内してくれ」 「こっちだ」 案内を頼む俺に、ミリアは歩を進めた。 ミリアが放った火球も、俺達を照らす様についてくる。 進む道中。 「何故、"ソレ"が修復されようとしていた物だと分かったんだ?」 俺は感じていた疑問を、ミリアに聞いてみた。 すると。 「直ぐに分かったさ "アレ"の劣化状態は、他に発掘された物と比較して明らかに真新しかったからな」 ん!? 「すでに修復済みな物なのか!?」 「いや 修復されていたのは、ほんの一部分だけの様に見受けられたが…… 修復された形跡があったのは確かなのだ」 ふむ。 なるほど。 修復されている形跡があったから、"ソレ"がラロの民の修復対象だと分かった訳か。 どの程度の修復具合かは確かめてみない事には、なんとも言えないが。 と、思った時。 「さぁ、ついたぞ ラロの民は、"コレ"を修復させようとして、ニルヴァーナに滅ぼされたのだ」 ミリアは足を止め、ソレを指差した。 "ソレ"は、俺のよく知っている物だった。 自衛隊の所有物。 軍の象徴。 戦う為に造られた、最も基本的な兵器。 進化こそすれ、その原型は昔から変化がない。 鉄で覆われた分厚い装甲。 悪路をものともせず走行できる、特徴的な車輪構造。 そして、砲撃機構が施された長い砲身。 コレは……。 「戦車……か」
/805ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5125人が本棚に入れています
本棚に追加