真実

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俺の閃いた事。 それは、ミリアの"酸"を使って、ヒトマルのハッチを溶かしてもらおうと思った事だ。 俺の確認に、ミリアは。 「あぁ 確かに私は、酸を出す事ができるが…… 何に使う気なのだ?」 「この扉を開けてくれないか? 酸を使えば溶かせるだろ?」 すると。 「扉を開けるだけなのだろう? ならば、酸を使うまでもない 私に任せてみろ」 ミリアはそう言って、ハッチの取っ手を握った。 いやいや。 それ、かなり錆び付いてるんだぞ? 「おいおい 男の俺の力でも開けられなかったんだぞ? 女のミリアじゃあ無理だろ」 俺は忠告するが。 「フフッ 私をその様に見てくれるとは、嬉しい事を言ってくれるではないか だが私は、身体能力が獣人にまで匹敵し得る魔人だぞ? 脆弱な人間の力と同じにするでない」 そう言って、聞かなかった。 「お、おう…… なら頼むわ」 「フッ 任せておけ」 そしてミリアは、ハッチを開けるべく力を込めた。 「フンッ!!」 しかし。 「ムーー!!」 …………。 あの……。 ミリアさん? ハッチが、ビクともしてないんですが。 もしかして非力アピールして、可愛さを売り出そうとしてます? 確かに少し可愛いけど、今そういうのいいから。 さっさと開けてくれよ。 と、いくら思っても。 「ハァ……ハァ…… 何故だ……? ひ、開かぬ……」 ミリアは、ハッチを開ける事はできなかった。 なんだよそれ。 「開かないのか? やっぱり力がないんじゃないのか?」 ミリアだって女だからな。 魔人だろうが、力はそんなに無いのかも知れないな。 と、俺は思ったのだが、ミリアは別の見解を述べた。 「いや、違う…… この扉…… もしや内側から施錠されておるのではないか?」 は?
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