駆除

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その道中。 「っていうか ミリアには、ミキの居場所が分かっているのか?」 俺はふと、当然の疑問を投げかけた。 まぁ、ミリアの行動に迷いが見受けられない事を察するに、ミキの居場所は把握済みみたいだな。 ならば、そこはどこだ? 「愚問だな 私には当然、分かっておる ミキの居場所はあそこ意外に有り得ぬからな」 「あそこって?」 「ミキ――つまり灰子の住処だ 灰子の習性は知っておるか?」 灰子の習性? 確か以前、リコから聞いた事があったな。 えーと……。 「汚泥に住まい、腐敗した魔物の死骸を食って生きる、最弱の魔物 だったよな?」 「そうだ 逆に言えば、綺麗な場所には現れないという事になる」 え? それって……。 「つまり、今向かっている場所は、物凄く汚い場所なのか?」 「察しが良いな その通りだ 灰子はそこにウヨウヨと居る ミキもそこに居る筈だ」 うげー。 汚いのかよ。 マジか。 最悪じゃん。 どれほどの汚れ具合かは、想像したくもない。 日本に居た時、常に周りは清潔で実に人間らしい暮らしをしてきた俺からして、そんな場所に赴くには抵抗がある。 魔物に襲われるより、過酷な事になりそうだな。 「因みに地名とかあるのか?」 「地名? 明確に決められてはいないが、誰が呼んだかその場所はこう呼んでおる "泥洞・ボロス" とな」
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