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"泥洞･ボロス"?
また新たな地名が出てきたな｡
汚い場所との事だが､具体的にはどんな所なんだ?
名前から､推察するに……｡
｢そこは洞窟なのか?｣
｢そうだな
浅い沼地に接している､洞窟だ
洞窟自体は広く大きなものなのだが
灰子が餌の備蓄の為に､各地から死骸を集めてきておってな
人はおろか､他の魔物も滅多に寄り付かない程に不気味な場所と化しておる｣
お､おう……｡
行く前から､随分とテンションを下げてくれるじゃねぇか｡
一つもワクワクしねぇ｡
｢その場所までどれくらいかかるんだ?｣
俺はミリアに距離を尋ねた｡
｢少し歩く程度だ
辺鄙(へんぴ)な場所だからな
人里からは大分離れるぞ｣
なるほど｡
どうやら､結構歩くらしい｡
そうなると､自ずと移動時間が掛かる事になる｡
ミリアはその時間を利用して､俺にとある話をしてきた｡
｢カズ
ボロスに辿り着くまで､昨日の話の続きをしよう｣
｢昨日の話?｣
｢覚えておらぬか?
まぁ､カズは途中で寝てしまっておったからな｣
あ｡
あの話か｡
｢悪い
つい､ウトウトしてしまって｣
｢よいよい
休息できたのならば､何よりだ｣
ミリアさん､マジ寛容｡
｢済まんな
で､話の続きだが｣
｢あぁ
カズには少し考えおいてもらいたいのだ
"闇術"についてな｣
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