駆除

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俺の問い掛けに、ミリアは答えた。 「ふむ 闇術の性質か…… 闇術を扱える者は皆無だからな 実のところ、詳しい事は何も分かっておらぬのが現状だ ただ……」 「ただ?」 「ダグから聞いた話だと 闇術の性質は、実に"人間らしい"ものとなっておるそうだ」 "人間らしい"? 「それは、どういう意味だ?」 「さぁな ダグ自身もよく分かっておらぬ様だったぞ」 なんだよそれ。 「でも、そう言うからには何か理由があった筈だろ?」 「まぁ、魔術の性質は該当する魔力によって特徴があるからな」 「と、言うと?」 「例えば、 氷属性の魔力には、低温や、強固な実体を生み出すなどの効果があるし 風属性の魔力には、切断を促す効果がある上で、一切の実体が無い」 「つまり?」 「つまり、それらの特徴を鑑みるに 人間特有の魔力である闇には、人間らしい特徴が闇術に現れるという事らしいのだ」 ふむ……。 なんとなく、原理的な事は分かったが。 結局どんな魔術なのかは分からなかったな。 「どんな魔術なのか分からないのに、それを俺なんかが習得できるのか?」 「それはカズ次第としか言えん だが、学術院に通っておらぬのならちと厳しいかもな」 だよな……。 魔術ってのは、学んで扱いを覚えるものらしいし。 専門的な事を学んでいない全くの素人の俺が、そう易々と扱える代物じゃあないだろう。 今後の課題だな。 「まぁ、なんとか頑張ってみるよ」 どのみち、遅かれ早かれ魔術を扱えなければならなかったしな。 俺はミリアの言付けを受け、闇術の習得に尽力すると決めた。 その時。 「そうか だが気を付けるのだぞ? 闇は、弱くもあるが とても危険なものだからな」 ミリア……。 なんで、俺のやる気を削ぐの?
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