駆除

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俺は、ミキのその発言に違和感を感じた。 "血の通わぬ歪んだ命"だと? 要するに、ロボットとかそんな感じのニュアンスか? 人口知能を有しているリコを指す表現として、合致しているな。 つまり、明らかにリコの事を言っている。 文脈から察するに、ミキの奴はリコが"生物"でない事を理解しているっていうのか? 今までこんな奴は居なかった。 会ってきた連中は、その全員がリコの事を"遣い魔"だと認識していた。 それなのに、ミキだけはリコの事を"機械"だと認識している風な言い方をしている。 ふむ……。 やはり、ミキは何かを知っている。 俺は、早速その事についてミキに尋ねようとした。 でも、素直に答えるか? 死なない程度に足でも撃って、無理やり聞き出すか。 そう思って俺は、拳銃の照準をミキに合わせ様とした。 その時。 「ミキ! さっきのはどういうつもりだ! いくら人嫌いだからと言っても、横暴が過ぎるぞ!」 ミリアが怒鳴り散らした。 自分が危機に陥った訳でもないのに、俺の為にここまで怒ってくれるとは。 ミリアはとことん良い奴だな。 ミリアの発言に、ミキは少し沈黙した後、答えた。 「………… 運良く助かった命だ 良かろう 己が殺される理由くらいは教えてやる 余の寛容さに感謝せよ」 超が付く程、上から目線だな。 まぁどうやらミキは、ミリアの発言について答えてくれる気でいるらしい。 「では、答えてもらおう 何故カズを二度も殺そうとしたのだ?」 俺がミキに殺されかけた出来事について、ミリアが言う二度というのは、 ウルバキアに向かう道中と、 今さっき襲われたやつの事だな。 「余がそこの人間を殺す理由は2つある 1つ目は、 余の配下たる醜鬼と、その取り巻きの餓鬼を全滅させた事 それに対する復讐だ 2つ目は、 そやつが"人間"だからだ」
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