駆除

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ミリアの吐いた毒は、オーガストの吐息によって跳ね返される。 つまり、その毒は俺達に向かってきていた。 つまり、攻撃を与えた側が、一転して与えられた立場になってしまった。 つまり、ヤバい。 「うおっ!?」 と、身構えたが。 待てよ。 良く考えれば俺は、ガスマスクを着用している。 そのお陰で、俺はこの毒を免れる事ができた。 リコはそもそも機械なので、毒なんて効かないし。 ミリアは自らが吐いた毒なので、当然悪影響は受けない。 ふぅ……。 運が良かったな。 俺達全員無事だ。 だが、状況が好転した訳じゃない。 ミリアの持つ、"炎"、"酸"、"毒"が軒並み通用しないとは……。 オーガストの体毛を削る事さえできれば、銃撃で致命傷を与えられる。 が、その為にはオーガストの動きを止めなければならない。 しかし、その手段が見当たらない。 ぐぬぬ……。 俺が困っていた時。 「ククク…… どうした? もう、終いか? どうやら万策が尽きた様だな 所詮、人如きが余に適う訳ないのだ!」 ミキが、超煽ってくる。 だから、テメェは何もやってねぇだろ! おっと、いかん。 敵の挑発に乗るな俺。 冷静さを失ったら、勝負には勝てない。 考えるんだ。 俺はミキを無視し、ひたすら策を練っていた。 だが、いくら考えても良い案が思い浮かばない。 マジでヤバいじゃねぇのか? なんて、諦めかけた時。 「ふむ…… 仕方あるまい この術は、できれば使いたくなかったのだが……」 ミリアが突然、そう言った。 え? 何? まさか、奥の手?
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