駆除

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言った途端。 ミリアの身体は炎に覆われた。 ん? いや、違う。 これは炎じゃない。 メラメラと揺らめく炎にも似た、オーラだ。 一体なんだ? 「ミリア……?」 明らかに様子が変化したミリアに、俺は恐る恐る尋ねた。 「あぁ、これか? これは私の魔力だ 内に秘めた魔力を解放した事により、それが身体の外にまで漏れだし、可視化できる程の密度を成しているのだ」 ミリアは意外と普通に話してくれた。 っていうか、それ魔力なのかよ。 よく見ると、ミリアの外見にも多少の変化が見られる。 ミリア本人も言っていた様に、角が若干大きくなり、瞳の色も赤から深紅に変化している。 まさに、パワーアップって感じだな。 「すげぇな それが前準備か?」 「あぁ、この状態になって初めて、私のとっておきの術は発動できる」 「それで、オーガストをやれるのか?」 「それは分からん が、必ず何らかの隙を生み出せる筈だ」 「分かった 早速頼む」 「あぁ ミキ、覚悟は良いな?」 ミリアは、術を発動する合図をミキに送る。 ミリアのただならぬ雰囲気に圧されてなのか、ミキの様子は気圧されている風に感じた。 「フン! 小癪な! 余の力で去なしくれるわ!」 「後悔せぬ事だな お前はその傲慢な態度によって、身を焦がす事になるだろう」 「ほざけ! 雑魚が喚いたところで、恐れるに足りぬわ!」 ミキが吠える中。 ミリアは毅然として、身体中に充満している魔力を手のひらの一点に集めた。 そして。 その手のひらを一気に、地面に叩きつけた。 「食らえ "魔人術・秘技" 『魔焼獄炎陣』!!」
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