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これからどうする……か。
そうだな。
先ずミリアを送っていった後。
俺はニルバニアに帰還するかな。
レイナの奴に色々と聞きたい事がある。
そもそも俺がこんなところまで来た理由は、レイナにある。
俺をダグ博士に合わせ、このアストランが元地球だという真実を知らせた人物だ。
まぁそれに関して、レイナが目論んだ意図だったのかは、定かではないが。
それを含めて色々聞き出したい。
後、用事があるのは。
ティナだな。
ティナは、ラロの民の末裔と血縁があるらしい。
ならば、ラロの民が用いたという、無機物にのみ作用する"回復魔法"『修復』を使える可能性がある。
もし、ダグ博士から譲り受けた、この超絶劣化した"タモサン"を修復する事ができれば、俺の知り得ない太古の出来事が分かるかも知れない。
これからやる事は、それくらいだな。
俺は、そう頭の中で整理をして、ミリアに説明を始めた。
「そうだな……
取り敢えずニルバニアに帰って――」
俺が説明をしている最中。
「そうではない」
ミリアは俺の発言を遮って、そう言った。
え?
そうじゃないって……。
どういう事だ?
「ん?」
俺はミリアの言った意味が分からず、頭上に疑問符を浮かべていた。
そんな俺を、ミリアは神妙な様子で見ながら、こう言った。
「私が言っているのは、そういう事じゃない
カズ
お前の今後について尋ねておるのだ」
「俺の今後?」
「カズ……
まさか、自分でも気付いておらぬのか?
ミキの会話を聞いてからというもの、少し様子が変だぞ?」
「なに?」
「やはり、気付いておらぬのか……
カズの考えている事を、あまり詮索するつもりはないのだが……
何か、よからぬ事を考えておるのではないか?」
「…………」
俺は、ミリアの問い掛けに言葉を詰まらせた。
少し思う節があったからだ。
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