駆除

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俺には、新たな目的ができた。 多分、その事についてミリアは何か感づいたのだろう。 自分では気が付かなかったが。 そうか。 態度に、だしてしまっていたみたいだな。 が。 敢えて答える必要もないか。 俺は平静を装い、ミリアの問い掛けに返事をする。 「俺の様子が変? 気のせいだろ 別に何も企んではいねぇよ」 するとミリアは。 「ぬぅ……」 どこか、納得しきれていない様子だった。 だが詰問はしてこず、この話題は終了した。 「そうか 変な事を聞いて済まなかったな」 「気にするな ミリアは疲れてるんだよ そろそろ住処にしている洞窟に着くぞ そしたら、しばらく休め 俺はニルバニアに帰らなければいけないしな」 「あぁ、そうするよ でも、少し寂しくなるな」 「心配するな 俺にはミリアが必要だ "闇術"を教えてもらいに時々来るから」 「そんな約束もしていたな まぁ、私は基本的に暇だからな いつでも訪ねて来て構わないぞ」 「分かった」 そんな事を話している内に、いつの間にか俺達は、ミリアの住む洞窟へと辿り着いた。 「さぁ、着いたぞ」 「あぁ、送ってもらって申し訳ないな」 おいおい。 謝る必要はないって言ってるだろ? ミリアの奴、"仲間"って意味を知らないのか? ずっと孤独だったから、他人の世話になる事に馴れていないみたいだ。 「ミリア 遠慮は無用だ 俺達は共に戦った"仲間"だろ?」 俺はミリアを仲間だと思っている。 その意思を伝えると。 「フッ 嬉しい事を言ってくれるな では申し訳ついでに頼みを聞いてくれるか?」 ん? 「なんだ?」 「"魔給水"を持ってきてはくれないか? 今の私は魔力が空に等しいからな」 なんだそんな事か。 「分かった ニルバニアに帰った時に、持ってきてやるよ」 「あぁ、よろしく頼む 今の私では、せいぜい"緋狡猩"を素手でなぶり殺しにできる程度の力しか残されていないからな」 …………。 いや、それ滅茶苦茶強いじゃねぇか。 1人残して行くのは、少し心配だったが。 この様子じゃあ、案外大丈夫そうだな。 まぁでも、早めに渡しておいてやるか。 「ハハハハッ! ミリアはやっぱり強い奴だ! じゃあ、俺はそろそろ行くよ」 「道中、気を付けるのだぞ?」 「あぁ」 そして、俺は一時ミリアと別れ、ニルバニアに帰還するべく歩き出した。 ―――――――――――― 使用弾……拳銃弾 残数………6発→2発 ――――――――――――
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