相違

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俺はレイナに早速尋ねた。 何故、ダグ博士に会わせたのかという事を。 もしかしたら、レイナの宿している玉璽の"既視"が、なにか関係しているのかも知れない。 "既視"によって、現在までの俺を予知していたのだとしたら。 それに至る、ダグ博士との会合を勧めてきた事は納得できる。 つまり、レイナは太古の事を知らない可能性がある訳だ。 まぁ、現実的に考えればそっちの方が普通だよな。 今居る世界が、元々は違う文明を築き上げ発展していたなんて、夢にも思わないだろう。 いや、夢にくらいは思えるだろうが……。 いずれにせよ、それは夢物語で終わるものだ。 本気にする奴はまず居ない。 レイナが俺をダグ博士に会わせた理由が、"既視"による未来予知だけだったのなら、大して聞く事は少ないかもな。 「ところでレイナ お前は、俺にダグ・フェルゼンに会う様に言っていたな?」 「うん、言った言った 会えたの?」 「あぁ ウルバキアに寄った時にな」 「ふーん…… そうなんだ で、どうだった? カズの"知りたがっている事"は分かった?」 「あぁ おかげさまでな」 「それは良かった!」 「そこでだ 俺をダグ博士に会わせたのも、その"既視"でなにかを予知した訳なのか?」 俺が核心を尋ねるとレイナは。 「いや違うよ カズにダグ・フェルゼンを会わせた理由に、"既視"は関係ない」 予想外の発言をした。 は? どういう意味だ? 「なんだと? なら、どういう理由で、俺をダグ・フェルゼンに会わせたんだ?」 「それはねー カズを初めて見た、決闘の時に既に決めていたんだよ "あ、このカズって人間は、ダグ・フェルゼンに会わせるべきだ" ってね」 ん? だから、なんでそういう考えに至ったんだよ。 俺が尋ねているのは、その理由だ。 「何故、そう思った?」 俺の問い掛けに、レイナはまたしても予想外な発言をした。 予想外には変わりなかったが、その発言はあまりにも予想外過ぎた。 「うーん…… だって、カズってさ "自衛隊"の人だよね?」
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