相違

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…………。 は? レイナの奴、今なんて言った? 俺の聞き間違いじゃあなかったら、"自衛隊"だと言っていた様な……。 いやいやいや! そんな訳ないな! 俺の聞き間違いだ! レイナが"自衛隊"を知っている筈がないからな! 困惑のあまり、俺はそんな現実逃避をしていた。 気が動転すると、逃げてしまう癖は、治ってないみたいだ。 そんな時。 「カズのそれってさ! 鉄砲でしょ!? 私、本物は初めて見たよー」 レイナは容赦なく、俺に現実を突きつけた。 クソッ……! その発言を聞いて、もはや確定的だな。 やはりレイナは、自衛隊を知っているみたいだ。 「レイナ! 何故、それを知っている!?」 俺は冷静を保てなかった。 思わず声が荒ぶる。 俺の様子とは対照的に、レイナは冷静に答えてくれた。 「え? 何故って言われてもなぁ…… カズは、ダグ・フェルゼンに会ったんでしょう?」 「あぁ、それがどうした?」 「その時に聞いたんだよね? この"今の世界"が、どうやって造られたか そして、カズ自身の正体も」 「…………っ!?」 コイツ……! どこまで知ってやがる!? "今の世界"? この表現をするところを鑑みると、レイナが"地球"を知っているのも確定的だ。 自衛隊を知っていたのも、それに繋がっているのか。 「びっくりした? その事は、私も知っていたんだよ?」 あぁ、びっくりだよ。 そして、問題なのは。 「だから! なんでその事を、レイナが知っている!?」 思わず声量を上げた俺にレイナは。 「まぁまぁ、落ち着きなよ 焦らなくたって、ちゃんと教えてあげるから」 そう言って宥めた。 そうだな。 先ずは落ち着かないといけないよな。 年下に宥められるとは、情けない。 俺は深呼吸をした。 「じゃあ、教えてくれ なんでレイナは、"地球"を知っている?」
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