相違

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そうだったな。 俺がニルバニアに帰ってきた理由の一つは、レイナからその話を聞く為だった。 この世界が元地球だという事。 そして、俺の故郷がその地球だという事。 それを何故レイナが知っているのか、聞きに来たんだ。 レイナ曰わく、それを話すつもりはあったみたいだが、それにはノエル達にも聞いてもらいたかったみたいだ。 ようやく、役者が揃ったところで話が聞けるな。 「レイナ、早く教えてくれ お前はなんで地球を知っている?」 俺がレイナを急かすと。 「"チキュウ"って何? カズの故郷は、"ニホン"じゃなかったっけ?」 ノエルがそう疑問を投げ掛けてきた。 そうか。 コイツ等の頭の中では、俺の故郷は"ニホン"という地名に限定されているのか。 この世界が元地球だと気付いた俺からすれば、日本という一部に拘らず、地球そのものを故郷として認識していたんだが……。 説明が面倒くさいな。 なんて俺が思っていると。 「まぁまぁ 取り敢えず座りなよ その辺の説明は、私とカズの会話を聞いていれば分かると思うからさ」 レイナがそう言った。 まぁ、確かに一から説明するのも大変だしな。 ノエル達には、会話内容から勝手に察してくれという考えか。 結構いい加減だが、説明するのは面倒だし賛同しよう。 「そうだな ノエル、ティナ、ガルム これからレイナが話す事は、俺にとってすごく大事なんだ お前らは、そこで聞いていろ」 俺はレイナの言った事に合わせた。 すると、ノエル達は。 「え? うーん…… 分かったわ」 「? よく分からないけど、とにかく話を聞いていればいいのね?」 「何を話すのか知らねぇが、手短に頼むぜ?」 ノエル達は椅子に腰を下ろした。 俺もレイナと向き合う形で、椅子に座らされて、やっと話が始まる。 「私がなんで地球の事を知っていたか、だったよね?」 レイナが話の題材を再確認した。 「あぁ、そうだ」 俺の首肯に、レイナは驚愕的な事実を述べた。 「それはねー 私もカズと一緒だからよ」 は? 「どういう意味だ?」 「だからー 私も、地球からこの時代に連れてこられた人間なのよ」 はぁ!?
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