相違

24/105
前へ
/805ページ
次へ
ニルヴァーナの思惑が分からず、考え込んでいる時。 俺は、ふと視線を感じて、首を動かした。 見ると、ノエル達がポカーンとした表情で俺とレイナを見ていた。 なんだそのアホ面は。 と、言いたくなったが。 まぁ、こんな話を理解しろという方が無理だよな。 ノエル達の反応にも納得できる。 すると、ガルムが口を開いた。 「おい 今の話、俺には全く分からなかったんだが……」 ガルムは横を向いて、ティナに尋ねていた。 するとティナは、得意げな口振りで答える。 「それはガルムが馬鹿だからでしょう? つまりー…… えっと…………」 が、そこまで言って言葉を詰まらせる。 ティナも分かってないみたいだな。 分からないクセに、自信あり気な態度をとるなよ。 そして、ティナはガルムへの説明を諦め、横を向きノエルを見た。 「ノエルは分かった?」 するとノエルは。 「いいえ 分からないわ カズ、ちゃんと説明してもらえる?」 真っ直ぐに俺に尋ねてきた。 ふむ……。 仕方ないな。 俺の説明でどこまで理解できるか分からないが、全て話してやるか。 それが、仲間としての責務というものだ。 俺は説明を始めた。 「結論から言ってだな 俺は、今から1000年以上も昔に、この世界に住んでいた人間だ――」 俺は話した。 遥か昔、地球という世界が存在した事。 そこに日本という国が存在した事。 俺はその日本の兵士だった事。 争いとは無縁の、平和な日常を送っていた事。 そんなある日、それらが突然崩壊した事。 ニルヴァーナによって世界が滅ぼされた事。 そのニルヴァーナに戦いを挑んだ事。 俺もそれに参戦した事。 そして敗れた事。 その結果、俺はこの世界に転送させられた事。 など、俺の知り得た事実、その全ての情報を話した。
/805ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5125人が本棚に入れています
本棚に追加