相違

26/105
前へ
/805ページ
次へ
おぉ……。 マジか、コイツ等。 まさか、ここまでアッサリ信じてくれるとはな。 なんか、感動。 「良い仲間を持ったねカズ」 レイナは、そう言って俺を見た。 「そうだな」 さて、ノエル達が俺の正体を受け入れたところで、話は進む。 「でも、かのニルヴァーナ様がそんな事をした理由はなんなんだ?」 ガルムが珍しく核心をついた質問を投げかける。 俺が次に、レイナに尋ね様と思っていた事だ。 ガルムの問い掛けには、ティナがまたしても知ったげに答えた。 「ニルヴァーナ様の意向なのよ? 私達、凡人には到底理解が及ばないお考えに決まってるじゃない!」 ん!? あのティナが、自らの事を"凡人"だと言ったのか!? ニルヴァーナを兼ね合いに出すと、そこまで自分に謙虚になれるのか。 コイツ等の信仰心が伺えるな。 まぁ、ティナのその答えは、答えになっていなかったけどな。 そう思った時。 「ティナ それじゃあ答えになっていないわ ニルヴァーナ様の考えがどうであれ、カズがこの世界に連れて来られたのは何か意味がある筈よ」 ノエルは、冷静に物事を捉えたみたいだ。 そうだな。 俺がこの世界に連れて来られた理由は、結局分からないままだ。 なら、レイナに聞いてみるか。 レイナだって、形式は違えど俺と同じく、この世界に連れて来られた立場だ。 レイナからその理由を聞ければ、自ずと俺が連れて来られた理由も分かる。 そうなってくると、ニルヴァーナの目的も判明してくる筈だ。 俺はレイナに尋ねた。 「レイナ 俺達が連れて来られた理由はなんだ?」 するとレイナは。 「分からない?」 そう言って、焦らした。 ふむ。 その反応を察するに、どうやらレイナは知っているらしいな。 「分からないから聞いてるんだよ」 「そう まぁ、簡単に言うと 私達は試されているのよ "人間"としての本質をね」
/805ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5125人が本棚に入れています
本棚に追加