相違

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レイナの発言は聞き捨てならない。 ニルヴァーナは、俺達の住む世界を滅ぼしたんだぞ? その悪魔的な所業に、共感しただと? 共感する要素なんか一切ないだろ。 そう思い、俺は問い詰めた。 「地球滅亡が仕方なかっただと? おいおい、馬鹿げた事を言ってんじゃねぇよレイナ どういう思考回路を組めば、そんな考えに至るんだ?」 言うと。 「カズ! 言葉遣いに気を付けなさいよ!」 ノエルが俺の言動に注意をした。 チッ……! そんな事、知るかよ。 「外野は口を出すな 少し黙っていろ」 「うっ……」 ノエルを黙らせ、レイナに向き合う俺。 俺の横暴な態度を前にしても、レイナは冷静だった。 冷静に俺を怪訝そうに見ていた。 なんだ? と、思った時。 「カズ…… アンタまさか……」 何か意味深な台詞を言いかけた。 「あぁ!?」 それに俺は反応したが。 「いや…… きっと、気のせいだね うん」 早々にレイナは、自己解決をしていた。 ん? 今のやりとりは一体なんだったんだ? まぁ、今はそんな事どうでもいいか。 今の優先すべき話題は……。 「レイナ、テメェ正気なのか? ニルヴァーナに共感するなんて、意味分からねぇぞ」 更に問い詰める俺にレイナは。 「まぁまぁ カズの憤る気持ちも分かるよ だからこそ、私の意見も聞いてもらおうかな」 相変わらず、見た目がガキのクセに大人びた反応だ。 「分かった 話してくれ」 俺はレイナの見解について、説明を求めた。 そして、レイナの説明が始まる。 「私が今の記憶を認識したのは、物心がついた時なんだけどね 勿論、最初は混乱したよ 自分の住んでいた場所が突然無くなって かと思えば、王族に転生して ファンタジーな世界で、来世を送っていたんだからね」 「その心中は察するぜ」 「うん でもね、色んな文献を漁っていって、大体の事が分かってきた時に、ふと冷静になって考えてみたの」 「それで?」 「そして、思考の末にある考えに行き着いたの "ニルヴァーナは正しい"ってね」 …………。 そこが、分からねぇんだよ。 「詳しく頼む」
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