相違

33/105
前へ
/805ページ
次へ
嫌な予感ねぇ……。 つまりレイナは、俺の未来に何か不穏な事を感じた訳か。 うーん……。 一応、忠告のつもりなんだろうが、その内容は漠然とし過ぎている。 エラい大雑把な、未来予知だな。 レイナは続けた。 「だから私は、カズに考え方を改めて欲しかったの 考え方が変われば、行動も変わるでしょう? そうなれば、それをきっかけに未来も良い方に変わって行くと思ってさ」 なるほどな。 レイナがわざわざ俺を城に招いた理由が分かった。 どうしても直接会って話したかった訳か。 要は、俺を説得して不穏な未来を回避したいっていう思惑があったって事だ。 だが、確証がない以上は全てに従う訳にはいかない。 "はい、分かりました"と言って、180度思考を変えたくはない。 第一、人の考え方などそう簡単に変えられるものではない。 だから、レイナの忠告に対する俺の返答は……。 「そうか まぁ、頭の隅にでも留めておくよ」 許諾せず、かといって拒絶もしない。 曖昧に返事をしただけだった。 レイナは、俺の返答に納得こそしていない様子だったが、なにやら安心はしていた。 そしてレイナはその理由を説明するかの様に、話し出した。 「とりあえずはそれでいいよ カズには、守ってくれる仲間が居るものね!」 …………。 あー、そういう事ね。 俺にはコイツ等がついているから、不穏な未来とやらに遭遇しても自力で回避できるかもと……、そう思っているのか。 楽観的な考え方だな。 "守ってくれる"? いや、逆だろ。 今までは、俺がコイツ等を守ってやっていたんだぞ。 今更、コイツ等に期待なんかしてねぇよ。 そんな俺の考えを知る由もなく、レイナはノエル達に向き合った。 「ノエルちゃん、 ティナちゃん、 ガルム カズを助けてあげるんだよ」
/805ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5125人が本棚に入れています
本棚に追加