相違

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何!? するとアレか? ギルドの連中は、禁足地に残留している地球の遺物を把握しているって事なのか? ん? だが、ちょっと待て。 「ならなんで、未だに調査を続ける必要があるんだ? 禁足地の実情は、知っているんだろ?」 俺の疑問に、レイナは。 「理由は2つあるの」 そう言って、指を二本立てた。 「どういう事だ?」 俺が理由を聞くと、レイナは指を一本折りたたんで、説明を始めた。 「一つ目の理由なんだけど ギルドの上層部が知っているのは、あくまでも "太古に異文明があった" という確証だけ だから、調査をする必要は一応あるの まぁそれが、"地球"という科学文明の発展した世界だと、明確に知ることはないでしょうけどね そんな事を知っているのは、私とカズぐらいなものよ」 ふむ。 なるほど。 そうだったのか。 この世界の連中も、何も知らない訳ではなかったらしいな。 だが、やはり "転生者"のレイナと、 "転送者"の俺 程に、この世界について詳しくは知らないみたいだ。 レイナは残った一本の指を折りたたんで、続ける。 「もう一つ目の理由は…… まぁ簡単に言えば、"建て前"ね」 「何?」 「自分達で禁足地を未開地と設定しているものだから、それの開拓を目的とした特別任務を発行せざるを得ないのよ 名目は開拓だけど、目的自体は調査ってところかな まぁ、その人選は限られてくるんだけどね」 ふむふむ。 つまり、話をまとめるとこんなところか。 ギルドの連中は、禁足地に太古の遺物があることを把握しているが、それを公開していない。 その理由は、破壊の限りを尽くしたニルヴァーナのイメージ――つまり信仰を守る為。 だが、詳細を知らない為に調査を継続。 その調査の名目に、太古の異文明云々を公開する訳にはいかないから、開拓と言って誤魔化している。 みたいな感じか。 なかなか上の連中も大変だな。 っていうか、そんな極秘な任務に派遣されたウォーレンは、流石と言ったところだな。。 俺がだいたいギルドの事を分かってきた時。 レイナはノエル達に言った。 「あ、この話は内緒だよ ギルドから口止めされているからね」 レイナの発言に、ノエル達はかなり困惑していた。 「は、はい…… まぁ、言ったところで誰も信じないと思いますけど…… ところで、結局この写紙に写っているものってなんなんですか?」
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